今年の北半球は例年になく寒いようだ。シベリアや朝鮮半島は連日異常低温に見舞われ、日本でも日本海側は大寒波が吹き荒れている。インドのような暖かいというイメージが強い国でも、ヒマラヤ沿いの北部諸州は、多数の凍死者をだすほど厳しい寒さが続いているという。
上の写真(AP提供)は、バングラデシュの首都ダッカの動物園の猿たちだ。あまりの寒さにこのように身を寄せ合って暖をとっている様子。
筆者も子どもの頃に、大勢で押しくら饅頭をしながら、寒さをしのいだことがある。人間の体は結構温かい、身を寄せ合うことで暖房の効果を得ることが出来る。猿もそのことを知っているのだろう。普段見られないこんな行動をとるのは、寒さがよほど厳しいことの証拠だ。
それにしてもこの猿たちの振る舞いは、よくよく人間さまに似ているとは思えないだろうか。人間も基本的には猿と同じく、肌を触れ合うことを喜ぶ生き物だ。一昔前の日本の庶民は、狭い家の中でそれこそ抱き合うように寄り添うことで冬の寒さをしのいでいたし、ヨーロッパ人も寒い地方の人たちは、ベッドに雑魚寝することを好んだ。ギリシャ人などは今でも、長いベッドに家族全員いわしのように並んで寝ているということだ。
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