動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌
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人の死を予感する猫の話


アメリカロードアイランド州のある医療施設には、不思議な能力を持った猫がいるそうだ。その猫は患者の死期が近付くと、決まってその患者のもとに現れ、患者の死を見取るというのである。だから逆に、その猫がやってくると、担当の医療スタッフは患者の死が差し迫っていることを予想し、臨終の準備をするのだそうである。

その猫の名はオスカーというのだそうだ。終末期医療の病棟に子猫の頃から2年間住み続けているが、これまでに25人の患者の死をみとってきた。オスカーが現れると、患者たちは例外なく2時間以内に死を迎えたという。無論、死期に至らない患者を見舞うこともあるが、死期に近づいた患者を見舞うときは、身体を丸めて独特の仕草をするので、スタッフにはオスカーが何を予期しているか、よくわかるらしいのだ。

その猫に心霊的な能力があるのかどうか、はっきりしたことはいえないが、とにかくオスカーが現れると、見舞いを受けた患者は2時間以内に死亡する、これが厳然とした事実なのだと、医療スタッフの一人は不思議がる。

もしかしたら、犬や猫は、人間にはない特別の予知能力を持っているのかもしれない。あるいは、そう見えるのは偶然の積み重なりで、人間のほうが、勝手な思い込みをしているだけなのだろうか。

真相はわからないが、オスカーが患者の死と深いつながりを有していることだけは、動かせない事実らしい。

先日もある老女のもとに、オスカーが例の仕草をしながら現れた。医療スタッフはこれまでの経験から、老女の死が近いかもしれないと判断し、急いで家族に連絡した。果たしてその一時間半後に老女は死んだ。

家族とともにかけつけてきた孫娘は、おばあちゃんのベッドの傍に猫がいるのを不思議に思って、母親にそのわけを聞いた。すると母親は、「おばあちゃんが天国に行くための手助けをしてくれるのよ」と答えたそうである。

オスカーは今や、アメリカで最も有名な猫だということである。







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