動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌
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蜘蛛は殆どが脳みそでできている



蜘蛛は、体積のうち脳みその占める割合が極めて高いことを、スミソニアン研究所のビル・エバーハルト(Bill Eberhard)氏の研究グループが突き止めた。とくに小型の蜘蛛ほど脳みその占める割合が高く、トビグモなどは体積の80パーセントにものぼるという。

彼らはそんなにも大きな割合の脳みそをいったいどこにしまっているのだろうか。頭だけでは間に合わないのではないか。

そのとおり。頭に収まりきれない脳みそは、体中の穴と云う穴を満たし、脚の先にまで脳みそがはみ出ているらしい。

体全体の80パーセントが脳みそだとしたら、胃袋や他の内臓はどこにあるのだろうか。詳しいことはまだわからないらしいが、とにかく体中の穴と言う穴を有効に活用することで、脳みそと内臓の共存を図っているらしいのだ。

蜘蛛の脳みそが大きいわけは、彼らが知的な生き方をしていることに原因がある、とエバーハルト氏はいう。蜘蛛は自分の体の数十倍、場合によっては数百倍もの大きさの巣を作る、しかもそれは建築物のように精巧にできている、なまじな知能ではそこまではできない。そこで蜘蛛たちは脳を巨大化させることで、美しくも実用的な蜘蛛の巣を創造するに堪える知性を獲得したというわけなのだ。

ところで蜘蛛の中には自分では巣を張らず、他人の作った巣にちゃっかり住み着く者もいるが、そうした寄生蜘蛛の脳もやはり大きいという。なぜそうなのか、理由はまだ完全には分からない。(写真はトビグモのメス:ナショナル・ジオグラフィックから)







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