動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌 |
HOME|ブログ本館|東京を描く|あひるの絵本|美術批評|フランス文学| 万葉集|プロフィール|BBS |
![]() |
エジプトの農村で双頭の子牛が生まれたそうだ。(上の写真:AP提供)ご覧のようにほぼ完璧な顔面を一対供えている。このふたつの大きな顔が差し障って、分娩は大変だったらしく、二時間もかかったというが、生まれた後の状態は良好で、一頭前の牛に成長する可能性は十分にあるそうだ。 奇形は縁起が悪いとされるのがせいぜいだが、双頭だけはなぜか、瑞祥とする文化が多い。先日インドで生まれた双頭の女の子は女神の生まれ変わりだと信じられているし、この子牛も聖なる奇跡と呼ばれてあがめられているという。 確かに奇跡と呼ぶに相応しい。顔は胸と並んで魂のありかを連想させるものだから、それがふたつもあることは、魂の濃さが人並以上だと思わせるところがある。こんなにも濃度の高い魂を持つことは、聖人でなくしてよくなしうるところではない。 命の不思議さが、人々の心に畏怖の念を催させるのだろう。その穏やかな瞳は、ピカソの描いた平和の牝牛を想起させる。 |
|