動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌 |
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日本では仲の良い夫婦をおしどりに譬えるが、西洋ではボタンインコを愛の鳥Lovebird といって、おしどり夫婦の代表選手としている。インコの仲間はだいたい夫婦仲がよいのだが、中でもボタンインコはいったんカップルが成立すると、生涯にわたって離れない、あらゆる行動を夫婦一緒におこなう、といった具合にうらやましいほど仲がよい。 先日このボタンインコを密輸しようとしたロシア人女性が逮捕された。中国で買い付けたボタンインコをコートの下に忍ばせて国境を越えようとしたところ、ボタンインコの夫婦が声を揃えて助けを求めたために、警備員が気づいたというのだ。 ボタンインコがどんな言葉で助けを求めたのかはよくわからないが、彼らは夫婦そろって頭がよく、人間の言葉もよくしゃべる。冒険の旅の途中で危機を感じ取ったのかもしれない。(女性が隠し持っていたボタンインコはなんと50羽もいたというから驚きだ。) 彼らのもともとの生息地はアフリカだ。主に果実を食って暮らしている。数十羽の群れを作ることもあるが、行動はあくまで夫婦単位だ。普通なら中国にいることはないはずだが、人口飼育の技術が進んだおかげでアフリカ以外でも育つようになったらしい。 上の写真(AFP提供)は Red Faced Lovebird と呼ばれる種類。メスのほうが体が大きく、グリーンの色が深いというから、左側の個体がメスなのだろう。ちなみにインコの仲間は、オスはいわゆるファロス(人間で言えばペニスに当たる)を持たない。骨盤の部分に開いた小さな孔をメスの生殖器にこすり付けて、精液を伝導する。だから外見からはなかなか雄雌の区別がつかない。 この写真にみるとおり、彼らは常にくっつくように寄り添いあい、お互いに見詰め合いながら愛の言葉を交わすのだそうだ。 |
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