動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌 |
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NHKスペシャル「ホット・スポット:動物たちの最後の楽園」第4回は、「飛べない鳥たちの王国」と題して、ニュージーランドのユニークな生き物たちを紹介していた。 キーウィー、フクロオウムなど、鳥でありながら飛べない鳥がニュージーランドの生き物を象徴しているという。ニュージーランドに生息する唯一の哺乳類であるコウモリもまた飛ぶことをやめ地上で暮らしている。 何故そうなったのか、それはニュージーランドが、わざわざ空を飛ばなくても暮らしていける安全な環境だからだという。飛ぶことには膨大なエネルギーがいるので、飛ばずに生きていくことができれば、それに越したことはない。こうして鳥たちも、コウモリも、飛ぶことをやめたというわけだ。 ニュージーランドには又、爬虫類やペンギンの類にも独自の進化を遂げたものがある。それはニュージーランドがほかの陸地から孤立した絶海の孤島であったことの結果だ。一番近い陸地であるオーストラリアからも1500キロも離れている。生き物たちは独自の進化を遂げてきたわけだ。 ニュージーランドに肉食の大型哺乳類が存在せず、鳥たちが飛ばなくなったことの背景には、ニュージーランドの自然環境の変遷のメカニズムが働いている。 ニュージーランドの原型は、8300万年前にゴンドワナ大陸から分離したジーランディアという大陸にさかのぼる。そのころには鳥類のほかに哺乳類の祖先もいたはずだ。しかし数千年前にジーランディア全体が水没し、すべての生き物が一旦死滅した。 ところが2400万年前に、ジーランディアの一部が水上に姿を現した。それが現在のニュージーランド(新たなるジーランディア)だ。 一旦リセットされたニュージーランドには、生き物は存在しなかった。したがって現在ニュージーランドに存在する植物や動物はすべて外部からやってきたということになる。藻屑に乗って海上を漂ってきた小動物や空を飛べる鳥たちがそれだ。 しかし先ほど書いた理屈により、鳥たちは次第に飛ぶことをやめた。コウモリもまた飛ぶことをやめた。こうして現在見るような、飛べない鳥たちの王国が出来上がった。こう番組は総括していた。(写真テレビは映像の一部) |
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