動物写真を楽しもう〜壺齋散人の生命賛歌 |
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上の写真(ナショナルジオグラフィック)を見て何を連想するだろうか。これはサンショウウオの仲間のひとつアホロートル Axolotl といって、メキシコシティに近いホチミルコ湖沼群にのみ生息する希少種の生き物だ。 とにかく形がユニークだ。最大の特徴はおたまじゃくし時代の特徴を生涯にわたって保ち続けていること。他のサンショウウオと著しく形態が異なるのは、このためだといわれる。 頭の周辺からびらびらと生えているものは外鰓だ。手からは指が分岐して人間のに似ているといえなくもない。この他、背中からは大きな背びれが生えている。とにかく派手な形態をしている。 日本でサンショウウオといえばオオサンショウウオがすぐ思い浮かぶ。世界でもっとも大きな種で、最大150センチにも達する。大きな図体で昼間の陸上では眠ったように動かない。そのためとかく怠け者のように言われるが、これは夜行性のためだ。夜間の水の中では結構活発に動くことが知られている。 アホロートルは大きいものでもせいぜい30センチほどにしかならない。それでもホチミルコの水中では捕食連鎖の頂点に立ち、カエルや稚魚をとって食べる。天敵は鷺などの水鳥だが、最近人間が沼の中に持ち込んだ外来の大きな魚も脅威になりつつあるという いづれにしても絶滅が危惧されている。最大の理由は沼の干拓や水の汚染だ。生息場所がメキシコシティに近いことが、この生き物に災いしている。 |
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