動物写真を楽しもう~壺齋散人の生命賛歌
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地獄谷の温泉を楽しむ日本猿



写真(EPAから)は、志賀高原地獄谷の温泉につかる日本猿たち。いかにも気持ちよさそうな表情をしている。だが、温泉に浸かっている間は気持ちが良くても、温泉から出たらどうなるのか、われわれ人間としては気になるところだ。濡れた毛が寒気にあたって体が冷えるのではないかとか、湯冷めをして風を引くんじゃないかとか、余計な心配かもしれないが、ちょっと気になるところだ。

ところが、気にする必要はないのだそうだ。何故ならこの猿たちは、温泉から出た後でも寒さを感じずに済むからだそうだ。日本猿は二種類の毛に覆われている。表面には硬くて長い毛、内側には柔らかくて短い毛。このうち濡れるのは表面の毛だけで、それは温泉から出た後で身震いすることで、水気を飛ばしてしまう(撥水性のため)。一方内側のやわらかい毛は濡れていないので、猿たちは温泉から出る前と出た後では、殆ど違わない環境に包まれている。だから湯冷めをすることもない、ということらしい。

ところで、地獄谷の猿たちのうち温泉につかるのは、小猿とメス猿だけで、オス猿は浸からないのだそうだ。だから、ここに映っている二匹の猿は、どちらもメスということになる。メスにしては随分と貫録を感じさせますね。







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